FXで儲けようと思っても、取引にかかる手数料が分からないと、FXでどれだけの利益を得られるのかが判断できません。FXの取引において、業者に支払う手数料には、「取引手数料」と「スプレッド」の2つがあります。
取引手数料
取引手数料というのは、通貨を売買する時に必要となる事務手続きのための費用のことです。取引手数料は注文する時と(ポジションを持つ)、ポジションを決済する時の2回発生します。取引手数料は通常、1万通貨単位での料金となっており、「片道〇〇円」と表示されます。
FXの取引が開始された当初は、ほとんどの業者が取引手数料を取っていましたが、FXの普及とともに競合会社が増えたことや、スプレッドという実質的な手数料が増加しているため、現在では取引手数料を無料とするのが一般的になっています。
スプレッド
スプレッドというのは、通貨を売買する時の買値と売値の間に生じる差額のことです。例えば、業者の売値は1ドルが110円0銭、買値は109円95銭などとなっています。その差額の5銭がスプレッドであり、利用者における手数料になります。
つまり、利用者は1ドルを110円0銭で買ったとして、即座に売ると109円95銭にしかならず、5銭分を損することになります。その5銭が業者にとっては利益になるため、業者は取引手数料を無料にしています。
スプレッドは1通貨当たり何銭として表示されるため、利用者にとっては微々たる金額にしか思えませんが、実際の取引では通貨量が何万通貨にも膨らむため、スプレッドの費用がバカにならなくなります。
業者によるスプレッドの違い
スプレッドは通貨ペアによって異なります。ほとんどのFX業者は米ドル/円を最安値にしており、最近では0.3~1銭が米ドル/円のスプレッドの相場になっています。
FXの基本取引単位は1万通貨であるため、スプレッドも1万倍の30~100円になります。たかが、0.何銭ではありますが、それが取引後には思わぬ金額に膨らみます。
例えば、1回に1万通貨の取引を1日に10回したとします。仮に、A社のスプレッドは1銭、B社のスプレッドが0.3銭だったとします。すると、1ヶ月後(20日間)のスプレッドは以下になります。
・A社:100円(1銭×1万通貨)×10回×20日=2万円
・B社:30円(0.3銭×1万通貨)×10回×20日=6千円
B社の場合はA社よりもスプレッドの費用が月に1万4千円も少なくなり(利益の増加)、年間では16万8千円もの差になります。それだけ、スプレッドは利益に大きく影響することになるため、各業者のスプレッドの金額を必ずチェックすることが重要です。
固定制と変動制
ちなみに、FXのスプレッドには「固定制」と「変動制」の2種類があります。為替レートが変動しても、常に一定のスプレッドを保つのが固定制で、為替レートの変動によってスプレッドが上下するのが変動制です。固定制スプレッドでは売値が変動すると、買値も同じ額だけ変動しますが、変動制スプレッドでは売値だけ、または買値だけが変動するようになります。