現在はFX業者からリピート系FX自動売買ツールが提供されており、それぞれ様々な機能が搭載されています。その中の1つに「決済トレール」があります。
リピート系FX自動売買ツールというのは、設定したレンジ(取引範囲)の中で買いと売りを繰返します。従って、為替の流れは一定の高値と安値の間で上下動する「レンジ相場(ボックス相場)」でないと、リピート取引の効果が発揮されません。
ところが、時として為替の値動きが一方向に高騰し続けたり、下落し続けたりする「トレンド相場」になる時があります。そんな時に役立つのが決済トレール機能です。
決済トレール機能
例えば、取引のレンジ幅を100円から120円、ポジションの利益幅を1円、通貨量を1,000枚に設定してあったとします。通常は設定通りに処理されるため、最高値の119円のポジションは120円になると決済され、1,000円の利益が確定します。
ところが、為替がトレンド相場に変わったことで、価格が121円、122円と上昇し、125円まで上がったとします。その場合、125円で決済すれば6,000円の利益((125円-119円)×1,000枚)が取れたのに、120円で決済されたために損したことになります。
そのような損を防ぐのが決済トレールです。決済トレールを設定してあると、トレンド相場になった時に通常の設定価格では決済されず、トレンドが伸び切った後に成行注文(その時点の相場価格)で決済されます。つまり、上記の場合は125円まで決済が引き延ばされることになります。
トリガー価格
いくら自動売買ツールでも、為替がどこまで伸びるのかは計算できません。では、どこで決済されるのかというと、上昇し続けた価格が20銭下がった場合に決済されます。この下がった価格を「トリガー価格」と言います。
例えば、125円まで上昇した場合、-20銭の124円80銭に下がるとポジションが決済されます。また、価格が125円20銭まで伸びると、-20銭の125円が決済されるトリガー価格になります。つまり、20銭ごとにトリガー価格が設定されます。
決済トレールのデメリット
決済トレールは非常に便利であり、利用しないと損するように思えますが、そうとは言い切れません。それはレンジ相場やトレンド相場に関係なく決済トレールが実行されるからです。
例えば、利益幅が1円の設定で、115円の買いポジションを持っていたとします。通常決済の場合は、為替が116円になると1円の利益を得て決済されます。ところが、決済トレールは-20銭のトリガー価格があるため、116円になる前に20銭価格が下がると決済されてしまい、利益が減ってしまいます。
決済トレールはトレンド相場の時に有効な機能です。